内田入道玄叙の策・3

さて数日経って降伏すると言った立花城ですが、幾日待とうとも降伏する気配がありません。もしやと思った忠長、急ぎ玄叙を呼び出します。しかし玄叙、あくまで平然と

「おっしゃる通り降伏など真っ赤な嘘。毛利と四国の援軍が来るまで日を稼ぐために偽りの降伏を申し渡しました。どうぞこの首をお持ち下され」

その物言いに島津軍の兵達はいきり立ち、今にも切りかからん勢いで総立ちになりましたが忠長、これを制して

「玄叙、おまはんの勝ちじゃ。その命を持って主を、城を救おうとしたその気概は天晴れである。首はいらぬ、悠々と城に帰るがよい」

そう笑うと忠長は玄叙に新しい武具や刀を渡し、馬まで渡して立花城へ帰らせました。玄叙は忠長に篤く礼を良い、立花城攻めの際には自ら先陣を切って島津軍と戦う事を約束して城へと戻っていきました。立花城でもまた、生きては帰ってこれぬと思っていた玄叙が戻ってきた事に皆喜びました。

さて、忠長は援軍が九州上陸している事を聞くと立花城の包囲を解き、撤退を諸将に命じました。この時宗茂は島津軍に攻勢に出て、見事岩屋の城を取り返すに至りました。そして九州の動乱は佳境に入っていきます。

わが身を盾に城を守ろうとした玄叙も、それを称えた忠長も両方かっこいいですね。こんな逸話は聞いていてとても清々しい気持ちにさせてくれます。今後もこのように、色んな武将の色々な話をご紹介していきたいと思います。