その首の行き先

さて前回の「伊香賀の立ち腹」を見て頂ければ疑問に思う方もいるかと思いますが、ここまで必死で隠された陶軍の総大将、陶晴賢の首は一体どのようにして見つかってしまったのか?毛利軍がそれこそ必死になって地面を掘って回ったのか?もぐらなのか?いいや穴掘り狐?毛利狐だけに!と思いそうですが、実はこの話の先がまだ逸話として残っているのです。

この首の在りか、実は胡餅を持たされてた晴賢の小姓が生き残って毛利方に話したっということになっています。彼は伊香賀隆正に

「お前はまだ幼いので、毛利の者達も殺しはしないだろう。よいか、絶対に晴賢さまの死と首の在りかを話してはならない。山口に帰ってから信用できる重臣だけにそっと話すのだぞ。わかったな」

と、晴賢の首の在りかを黙っているように念を押されたのですが、なんとこの小姓、自分から落ち武者狩りの毛利勢のところに行って

「大将首の在り処を教えるからどうか命を助けてください」

と命乞いをして、伊香賀が最後まで守り隠そうとした陶晴賢の首の在りかをあっさり話してしまったんだそうな。あの伊香賀隆正の壮絶で悲しい最期が全く浮かばれない嫌な話ですが、まあ伝承の一つとしてお考えください。