不忠不義の男

今回も大内義隆の寵童の話です。

晩年の大内義隆にはとても可愛がっていた寵童がいました。彼の名は安富源内。源内はかなりの美男子、美少年だったらしく、春の花が咲いたように美しいとまで言われてもてはやされていたそうな。

やがて起こったのが義隆が陶晴賢に起こされた謀反、大寧寺の変。この時、逃げ回る途中に源内は義隆一行とはぐれてしまいました。源内の安否が気になって気になってしょうがない義隆は自らの状況も忘れて、「源内はまだか」「源内はどうした」としつこく聞くありさまでした。しかし結局、源内が義隆一行と合流することは最期までありませんでした。

義隆は「源内はもう討たれてしまったのか。生きるも死ぬも共にしようと契ったのに、先立ってしまったのか」と涙をこらえて嘆いたのといいます。

さてこの時源内はというと。

何とわざと義隆一行から抜け出したあと、陶方についた内藤家の内藤隆世を頼ってちゃっかり生き延びていたのです。世の人は源内を、主から寵愛を受けた身でありながらその主を裏切るとはなんたる不忠不義の男か、と嘲り罵倒したといいます。主君の寵愛を一身にうけながら、その最後は主君を見捨てた安富源内のお話です。

尚、陶晴賢の謀叛についてはお口チャックでお願いします。