今義経

間者として働く勝一に、元網たちの企みは全て元就に筒抜けにされていました。そうとは知らない元綱一派、ついに事を起こそうと動き始めます。そこで元綱は決起前の夜宴で平家物語の弾き語りをするよう勝一に依頼します。

もちろん元綱とて無能ではありません。勝一に謀反も決起も明かしては居ませんが、急に行われる夜宴に元綱一派の決起が近いのを察した勝一は元就にこの事を通報しました。事ここに至っては弟を討つも止むなしと決意した元就は夜宴の最中の襲撃を決定、合図などを決めると勝一を再度船山城へ送り出します。

夜宴当日、元綱の居館船山城を志道広良率いる300の兵が急襲しました。勝一の弾き語りが佳境となった時を見計らって兵達が突入、元綱はじめ30人ほどがその場で討ち取られ、勝一から元綱の同調人として名の挙がっていた坂広秀や渡辺通らも後日討たれたといます。

異母兄弟でありながらも仲が良く、自分のために尽くしてくれていた弟を討たなければなかった元就の悲しみは深いものであり、弟の死を悼むとともに出家していたもう一人の弟を還俗させて自身の傍に置いています。

そして元就はこの事件の背後に尼子経久の策謀が有った事を知り、尼子と決別することを決意し、以後は大内側に付くようになったのでした。

確かに今義経、土壇場で兄を裏切るようになってしまった行動が悲しくも似通ってしまったのですね。戦国の世は珍しくもない話ですが、今の世で見ると何とも痛ましい気分になってしまいます。