吉川夫妻の手紙・前

さて夫婦仲がよく、優秀な子供たちを授かった吉川元春と妻である新庄局。そんな2人が晩年、我が子に当てた手紙が残っていますので少しご紹介しましょう。これは三男の息子・広家に宛てた手紙です。

 

武士は身だしなみをきちんとすることが大切だ。お前は気に入らないと思うが言っておく。今の流行を追いかけることは、武士の家に生まれたお前にはふさわしくないことだ。額をとにかく剃りなさい。そのうえで鬢をつければ立派に見える。

それをせずに、商人か乞食坊主か恵比須舞いのような格好をしているのは理解できない。親から見てこうすれば良いと思うことは、たとえお前が気に入らなくても、親孝行だと思って直してもらいたい。

お前は盃を目の高さ、鼻の高さまで上げて戴いていた。なるほどこれはちょっと見には粋に見えるがよろしくない。偉い人から戴いた盃は目の上まで捧げて鄭重に戴くように。

また、他人から敬礼を受けるときも目礼ではいけない。少し身を前にかがめて敬礼しなさい。

 

息子への忠告の手紙ですが、今の親が子どもに言うことと何だか似ていませんか?流行りを追いかけて不良になってきたわが子への説教というところでしょうか。口うるさいと言われそうだけど言って上げるのが親の役目、元春も人の親ですね。