大内義隆の祈祷

さて陶晴賢と大内義隆の間の亀裂が深まっていた時の事。信心深かった義隆は東大寺に破格の金額を献金しとある祈祷を頼みました。 その祈祷の内容は「大内家の武運の上昇」と「陶晴賢の怒りが静まるように」というものでした。この時の義隆と晴賢の決定的な不仲を、神仏に頼って状況を改善しようと考えていたのだと思われます。

しかしこの祈祷で晴賢の怒りが静まったかといえばそうではなく。

何と間の悪い事に、晴賢は怒りを静める為の祈祷を自身に向けられた調伏と勘違いしてしまったのです。 この時の晴賢の反応は書かれている本によってまちまちなのですが、主に

・未だにそんなものに頼る義隆に呆れる

・調伏を恐れて殺られる前に殺ろうと考える

の二つで、どちらにせよこの祈祷は謀叛を決行するための後押しになってしまいました。因みに調伏とは呪詛の一つです。

そもそも晴賢の謀叛に至る原因の一つに「陶の所領には東大寺から横領した地があるので一部東大寺に返還しろ」 という相良武任の意見を義隆が聞き入れた事にあるのです。 たとえ晴賢が勘違いしていなくても、 その東大寺に自身の怒りを静める祈祷などされるのは決して気分のいいものではないだろうと思うのですが・・・・。

祈祷で怒りを静めるどころか、火に油を注いでしまった大内義隆の逸話です。困った時の神頼みも時と場合を考えましょうね!