宗像氏と恨みの怨念6

そして時はまた流れます。自らの責任ではないにしろ、血生臭い事件の後に当主となった氏貞は十五歳になりました。この氏貞にはお色の方という妹がいました。

この時、氏貞の母はお色の方、つまり自分の娘に喉を食い破られて重傷を負うという事件が起こりました。

幼いお色の方は楽しそうに双六などの遊びをしていたのですが、突如顔を引きつらせてけたたましい奇声を発すると、母親に飛びついて喉を食い破ったといいます。そして口端から血を滴らせながらお色の方は叫びました。

「我は山田の局の怨霊である!よくも私のみならず娘までもを無残に殺してくれたな、その報いを思い知らせてくれよう!」

この家督相続の際に起こった血なまぐさい事件は宗像家でも口に出してはご法度となっており、まして当時幼かった氏貞やお色の方はこの山田の局の死についても、菊姫の死についても知らない筈でした。そのお色の方が、なぜこんな事を叫んだのか。

お色の方は今だ奇声を上げて荒れ狂い、大の男達が数人がかりで取り押さえるのがやっとという有様でした。その後、お色の方は意識を失い大人しくなりましたが、その後は錯乱を繰り返したようです。また、お色の方に喉を食い破られた母親も一命は取り留めるも、その後は寝たきりになったようです。

この所業、無残にも殺された山田の局の呪いだったのでしょうか。