山中と明智の風呂話

さて山中鹿之助といえば尼子家の家臣です。この鹿之助が織田家の家臣、あの明智光秀との間にちょっとした逸話がある事をご存知でしょうか?今回はこの二人の名前がでてくる、ささやかな逸話をご紹介します。

ある時、明智光秀の家臣・野々口丹波は山中鹿之助が逗留している旅館に来て「陪臣の身で
申すのは恐れ入りますが、貴方が私のあばら屋に御来訪して下されば、どれほど幸せなことでしょうか」と言いました。勇将、山中鹿之助と話がしてみたかったのでしょうか。この誘いを快く受けた鹿之助、野々口の家に行く約束をしました。

しかしこの約束をした直後に明智光秀から「今日は風呂を用意しましたので来られるように」との誘いがきました。ですが鹿之助、「ご家来の野々口と先に約束をいたしました」とこれを断ってしまいます。

普通ならば先に約束したとはいえ家来に顔をつぶされたと思いそうなものですが、光秀はこれに笑って「これで山中殿をもてなすように」と野々口に雁一羽と鮭一尾を与えたといいます。誰か一人でも間違えば後味の悪い逸話になりそうなものですが、鹿之助も光秀もおおらかに接しているのでなんだかすっきりと終わる逸話になっていますね。

何はともあれ、鹿之助先約を守って明智光秀の誘いを断った、という逸話です。