幸松丸の後見人・3

城方の振る舞いに恐れおののき、士気を下げる毛利軍の兵達。しかし報告を聞いた元就は逆に安堵したように、

「城内の水は尽きており、兵糧も多く残ってはいないだろう。敵はまもなく降伏する。今しばらく堪えてより一層包囲を固めるのだ」

この指示を受けて、毛利方は今しばらく耐えながら包囲を続けます。そしてそれから一カ月もしない間に、元就の言うとおり青屋友梅は降伏しました。そして元就の言うとおり、城内の水と食料は絶えていたと言います。兵糧攻めをしている敵相手に水や食料がうんだくとあると見せつけ戦意を削ぐ作戦に出た青屋友梅も大したものですが、その策略を見抜いた元就もまたさりとてはのものでしょう。

この戦により元就はより一層の名声を高めていきます。そして毛利家で実権を握って影響力の強かった高橋一族はその勢いを削ぎ、最終的には元就によって滅ぼされていく事となります。こうして元就は高橋一族の専横から毛利家を取り戻す事に成功したのです。

その後暫くは甥の後見人として働くも、甥の死により元就は毛利本家を継ぐ事になり、後の世で謀神と呼ばれる毛利元就という人物が生まれます。そんな毛利元就の若き頃、在りし頃の謀神の一幕でした。