毛利元就と狐・エピソードⅡ

さて前回狐の話が出て来ました(元就本人にあらず)ので、ついでにもう一つ毛利元就と狐にまつわるお話です。

吉田郡山城の北にあるなんば谷に、年をとった狐が棲んでいました。それは銀色の毛並みを持った、それはそれは美しい狐でした。猟師がそれを獲ろうとしても獲ることが出来ず、やがてその美しさはその領地の殿様であった元就の耳にも入りました。元就は非常に情け深い人物だったので

「その様に美しい狐なら、なおさら殺してはならない」

と命じ、その旨を記した高札を出しました。これを見た狐は感激し、毛利家に感謝しました。

さてその狐は尼子側の兵士が郡山城を囲んだ時、家来を連れて毛利に加勢したといいます。彼らは馬糞でごちそうを作って敵方に送りつけたり、提灯で敵が襲撃してきたように見せるなど尼子への妨害作戦を盛んに行って、これに疲れた尼子の兵はとうとう去っていったといいます。

元就は狐の働きに感謝し、郡山の森山を彼らへの褒美として与えました。それから狐は、侍に化けて山の見張りを続けたそうです。広島に古くより伝わる、こおりやまのきつね、というお話です。白鶏を食べちゃった狐には報復したけど、こちらの狐は手厚く熱かった元就。銀色だったからでしょうか?まあ元就狐は黒いけどね。(何処がってそりゃお腹の中)