毛利家の雪合戦・若

さて今回は毛利家の逸話です。いつ頃かは分かっていませんが、嫡男の隆元が大内家に行っている間で、まだ次男・吉川元春と三男・小早川隆景が幼かったある冬の日のことです。

元就がふと、元春と隆景がそれぞれ4人の仲間を連れて雪合戦をしようとしている所を見かけました。ここで元春は息子たちがどんな行動をするかそっと物陰から伺うことにしました。其々五人ずつに分かれて戦うようです。

最初の合戦はあっという間に終わってしまいました。元春たちの組が雪玉をひたすら投げつけ、その勢いに隆景の組は負けてしまいました。しかし隆景は少し考えて、もう一度合戦をやろうと元春に持ちかけました。

見ていると今度は隆景組は3人しか攻めていません。元春組はその勢いに乗って5人で攻めかかり、人数に劣る隆景組は少しずつ後退していきます。ところがいきなり横から出てきた2人が左右から攻撃してきて、元春の組は驚き慌てます。隆景はあらかじめ2人を伏せて置いて、横合いから打ちかかるようにしておいたのです。この戦いは隆景の組の勝ちでした。

さあもう一回やろうという子供たちに元就は「両方ともが勝ったのだ、これ以上の戦いは無用だ」と言ったて二人を宥めたといいます。

元就は、「この子たちが成人したら嫡子の隆元を旗本として、元春・隆景を先鋒としよう。聞くところによると、北国は人気はあまりなく、ただ屈強であることのみをよしとして計略は少なく、南国は人や船の行き来が多く、うまく立ち回ることも必要だ。雪合戦のことを考えると、北国は元春、南国は隆景に任せるのがよいだろう」

これにより元春は吉川家に、隆景は小早川家に養子にやられ、毛利の両川体制が敷かれたといいます。