立花道雪への感悦の使者2

ここで少し補足。冥加とはこの場合は幸運を表します。他では神仏の加護の事も冥加、と表しますね。そういえば大友家の家紋も茗荷(みょうが)ですね。

さて主君から使わされた褒美を海路を使ってまで送る事を遠慮し、合戦中の黒木まで送って下されば取りに行きます、と老体とは思えぬ何とも豪儀な返し方をした道雪。しかし使者が帰ってきてこれを伝えると、大友義統やその周りの者達は困惑しました。

道雪のいる立花城から黒木城まで行くためには、筑後、秋月家の領内を通らねばなりません。その距離は七里余り。その上秋月氏が籠る城下を一里余り抜けなければなりません。その先は寝返った問註所氏の領内がさらに続き、それを抜けた先には更に巨大で通りにくい坂が待ち構えています。如何に道雪が雷神とまで呼ばれた武将であろうとも、これを抜ける訳がなかろうと思ったのです。

「さては道雪の奴め、自分の手柄を人に知らせようとこのような申し出をしたに違いない。どうせ奴も黒木に送るなどとは思っていない筈だ。」

そう言って直接船で旗竿を送りました。この際、道雪への批判・陰口は府内にいた道雪贔屓の者達によって道雪へと伝えられたそうです。歴戦の忠臣に対してこの陰口、この当時の大友家がいかに統制が取れていないか伺いしれて、少し悲しいものですね。