謀聖、旧城に帰り咲く・1

さて前回尼子経久の放浪生活は実はなかったんじゃね?みたいな話をしましたのになんですが、今回はその経久が放浪生活を経て旧城を取り戻したという逸話をご紹介しましょう。逸話は逸話として楽しんで頂けると幸いです。

経久は父親よりその家を継いだが、まぁ色々やってしまって無念にも追放されました。その後諸国を放浪し続ける経久は遂に食うにも困る生活を送る事になり、飢え死にしないために山寺で僧となって暮らしていました。何とか富田の城を奪い返したいと思っている経久ですが、家臣達は殆どが自分の妻子を養うために経久からは離れており、残っているのは山中の一族だけという有様でした。そこで経久、秘密裏に出雲に入って山中家を訪ねます。貧困し昔の面影も残っておらず、落ちぶれた経久に山中は涙を流しながら家へと招き入れました。そして経久は涙を流しながら、

「何としても富田の城を攻めて城主となっている塩冶を討ち取って我が本望を遂げたいのだ。もしお前が昔のよしみを忘れていなければ、どうか力を貸してはくれないだろうか?」

「その仰せ確かに承りました」

昔の恩義を忘れてはいなかった山中は一族を説得、経久は山中一族17名を味方にする事が出来たのでした。