謀聖と山勘の策謀・2

流れてきた噂はこのようなものでした。

尼子経久は山中勘充の罪と逐電した事に激怒しており、なんと山中の年老いた母親と妻を捕らえて監禁しただけでなく、その行き先を吐かせようと日夜拷問にかけているというのです。この噂は当然ながら山中の元へと届き、彼は三沢越中守に涙ながらに訴え出ました。

「尼子経久は鬼畜と言うべき所業を行っております!喧嘩口論の末に相手を斬る事など、武士の意地を通すためによくある事ではありませんか!」

いやねーよ。と言いたくなりますが実際この時代にはよくある事です。

「それなのにその罪を私の母や妻にまで及ぼすとは、残酷非道であると言うより他ありません!どうか私を、三沢家にお仕えさせ、そのお家のお力をお貸し下さい。何としても尼子に復讐をしたいのです!」

勿論、三沢家でもこの事は密かに調べたましが、山中の母と妻が捕らえられて拷問にかけられているというのは確かな事でした。山中を哀れに思って三沢家は山中勘充を召し抱える事にしました。山中はこれに深く感謝してひたすら三沢家の為に忠実に働き続けました。その忠勤っぷりに山中は三沢家でも信頼されていきました。

そして二年の月日が過ぎた頃、山中勘充、中国地方の山勘は動き始めます。