鍋島直茂の父

さて今回は少し前から名前が出て来ている、鍋島家のお話です。鍋島家は龍造寺が少弐家の家臣だった頃に、龍造寺隆信の祖父(曾祖父)の龍造寺家兼の窮地を、これまた鍋島直茂の祖父である鍋島清久が救った事から出てきた主従関係です。この時清久に感謝した家兼は、清久の息子である鍋島清房に自分の孫娘を嫁がせて一門に迎え入れています。その為、龍造寺隆信と鍋島直茂は主従関係でありながら、従兄弟関係にもあるのです。

さて、今回はその鍋島直茂の父親である鍋島清房の少し不思議な出生のお話です。

ある年、直茂の祖父・清久が本庄の社に年越しの参籠をしました。その社には一人の天が参籠をしており、尼に素性を尋ねた所、「生まれた土地も父母も存知上げず、一生行脚をしている者です」と答えました。清久は天の身を憐れんで連れ帰って置いておいたのですが、この尼は良く働き気のつく女性でした。

清久はこの尼を気に入り、夫婦となりました。その後、二人の間に生まれたのが鍋島直茂の父・清房です。

ですがこの尼、清房が参歳になると暇乞いをして屋敷を後にしました。清久はこの尼を引きとめようと後を追いかけましたが、どうしてもその後に追い付けず、遂に尼は筑後川を越えていってしまい行方知れずとなってしまったそうです。この尼の正体が一体何者であったかは分からずじまいとなったのでした。

鍋島直茂の父・清房の母の不思議な逸話です。