雷神様・部下を諭す

さて雷神様こと立花道雪と言えば音に聞こえた武人ですが、その配下である立花の侍達もまたいずれも名将揃い、勇猛揃いの者達だったようです。しかし、そんな中にもやはり武功を上げていない者もいました。彼は初陣で武功を上げられず、周囲から謗りを受けていたようです。そこで道雪、かの者を呼び出しました。

「武功を成すのにも、運と不運があるものである。お前が初陣で武功を上げられなかったのは不運ではあるが、それはお前が弱いという事ではないという事はこの道雪がよく知っているぞ。さて明日にも戦があるが、功を焦って討死などしてはならない。それは私に対して不忠である。この道雪に忠を尽くしてくれるというならば、長く生きてこの生き様を見届けて欲しい。私はお前達のような家臣に尽くして貰っているからこそ、このように年老いてなお敵と対時して怯む事無く戦い続けられるのだ。」

そうして道雪は若者を励まし、自ら武具などを分け与えたと言います。これを聞いた若者はその言葉に涙して喜びました。そして次の日、周囲の者に負けぬように殊更奮戦しながらも、見事生き残る事が出来ました。その若者の姿を見て、道雪は彼を誉め称えて喜んだと言われています。

雷神・鬼道雪。血気に逸りそうな部下を諭して導く、というお話です。