面浮立

今回は90近い老練でお家のピンチをひっくり返した龍造寺家兼と、とある踊りのお話です。

それは龍造寺家と主家・少弐家がまだ友好な関係であった1530年。大内家が少弐家の本国である筑前に侵攻を開始しました。本国筑前を奪われた少弐家、決死の思いで奪還の望むもたちまち劣勢のピンチ!

この時竜造寺家兼もまた戦に臨み、大内軍の朝日頼貫を討ちとってはいたのですが流石に大内軍の大軍相手では成すすべもありません。もはやこれまでかと家兼も覚悟を決めたその時、突如奴らが現れた!

「クマママママママ――――――!!!!!!!!」

なんだこりゃ。

突如現れた赤熊(ヤクの毛を染めた兜・母衣飾り)に漆黒の鬼面をつけた謎部隊が大内軍に襲いかかったのです。勝ち戦に気が緩んでいた大内軍でしたが、突如現れた異常な軍団に大混乱、見る間にその陣を崩されていきます。まぁ仕方ないわな・・・

その隙を逃さず陣を立て直しこの異様な軍団の勢いに乗って家兼は窮地を脱し、大内家を退けました。安堵していいのか混乱していいのか分からない家兼の前に現れたのは赤熊軍団の長らしき男。その男が面を取って曰く、

「佐賀郡鍋島家の鍋島清久と申すものです。以前より良将たる竜造寺殿にお仕えしたく思っておりました。どうぞ家臣の端にお加えいただけませんか」

これに喜んだ家兼、鍋島家を家臣に加えるだけでなく清久の二男・清房に孫娘を嫁がせ、鍋島家は以後龍造寺家の重臣となっていきます。この時鍋島の者達は戦勝祝いに赤熊の装束で練り歩いた所。佐賀の無形文化財である面浮立が生まれたそうです。

この鍋島家は以後龍造寺に深くかかわって来ますので、覚えておくと面白いですよ。