龍造寺隆信、もう一人の娘お安の方1

前前回、龍造寺隆信の娘・玉鶴姫について説明しました。実父に夫を騙し討ちにされ、夫の家と命を共にした悲運の娘です。ですが龍造寺隆信にはもう一人悲運の人生を遂げた娘がいます。まだいるのか。

その娘の名はお安の方、秀の前とも呼ばれますが、この女性の生涯を語るのは大分前の事から始めなければなりません。

それは龍造寺隆信が龍造寺本家を継いだ頃の話。元々は本家筋の龍造寺胤栄がその後を継いでいました。胤栄は25歳の早さで病死してしまい、その未亡人を隆信と再婚させて龍造寺家は存続がなりました。ですがこの夫人は隆信と不仲だった事は、以前の記事でも書きましたね。

これを憂いたのが龍造寺家重臣・小川信安です。彼は夫人に面会して、御家の為に隆信と親しむように忠告しました。所でこの夫人、胤栄との間に産まれた娘を溺愛していました。夫を早くに亡くした故かもしれません。信安の必死の説得にも夫人は耳を貸しません。そこで信安、何を考えたか姫様を抱かせて欲しいと懇願、幼い姫を抱きかかえると・・・

「今現在龍造寺家はご夫人が隆信様にお親しみならないために二つに割れている状態です。今大友家が攻め込んでくればこの姫様も豊後の地に命を落とし、屍を野に晒す事になるでしょう・・・・・・ならば某、その前にこの手で姫様を介錯仕ります!!」

そう言って幼い姫の喉元に短刀を突き付け、夫人を脅し説得しました。この時の人質姫君が後のお安の方なのです。