鬼武蔵と神様の使い1

さて今回からは鬼武蔵と神様の使いの話をいくつかご紹介。この話、後半はちゃんと小牧長久手の戦いに繋がっていきますのでご安心ください。まず最初はいつごろのお話なのかは分かっていませんが、とあるむかーしむかしのお話です。

美濃の可児川の近くに酒屋さんがありました。ここで造られている「恵土の華」というお酒は遠くまで評判の良い美味しいお酒でした。そんなある日、身なりの大変立派な若い侍が酒を買いに現れました。が、出された徳利は安物で支払いの銭は不思議と赤錆びた銭でした。その日からこの侍、毎日のように酒を買いに訪れました。だが不思議な事に毎回違う安物徳利を持って現れました。

ある日差し出された徳利が泥で汚れていました。店主はこの徳利を洗ってやると、何故か徳利の底まで泥が詰まっていました。店主はこれを不思議に思い、酒を売った後この若侍の後を付ける事にしました。

後をつけていくとなぜかこの侍、突然森の中に姿を消します。急いで追いかけると深い淵の所でその姿を見失いました。しかし聞こえたのは大きな音。見ると巨大なスッポンが淵の底へと泳いでいくではありませんか。そう、若侍の正体は巨大なスッポンだったのです。

その淵には昔から龍神様を祭る祠があり、徳利はお神酒をささげる為のもの。赤錆びた銭はお賽銭だったという訳ですね。正体がばれてしまったせいか若侍は二度と酒を買いに来なくなかったのですが、化け物の噂が広まってしまってその街道は寂れてしまいました。

そしてここは美濃。鬼武蔵のお膝元です。


2014年3月9日 鬼武蔵と神様の使い1 はコメントを受け付けていません。 新着