先を阻む畷

決戦は夜、龍造寺軍の先手が何かを開始すると同時にスタートします。龍造寺軍は大木戸を守っているのが赤星統家の僅か50名の部隊である事を見ると、その大軍の強みで一気に抜き切れると過信していました。しかしここで狭い畷が、予期せぬ敵となって大軍を阻みます。

狭い畷に殺到した龍造寺軍の大軍は後続の部隊の馬や人まで入り乱れ、ただ前進移動するだけの軍となってしまいました。しかもここで赤星統家が奮戦します。恐らく、先に人質に出されていた息子と娘を磔にされて殺された恨みもあったのでしょう。統家の奮戦と畷に阻まれ、龍造寺軍は一時押し返される形になってしまいました。

そしてこの赤星隊が龍造寺軍相手に奮戦している間にも、その背後で軍略の家久の策が密かに動いています。

この時、家久の命を受けた鉄砲隊が大木戸の背後に移動させられていました。そして龍造寺軍に対して一斉射撃を開始したのです。大木戸を一気に突破する予定だった龍造寺軍は移動の邪魔になると楯や鉄砲除けの竹束を捨てていたために、無防備な状態でした。そこにこの一斉射撃、予期せぬ事態に大混乱する大軍。多くの死傷者を出して龍造寺軍の先手は壊滅し、敗走に追い込まれる形になりました。