蒲池鎮並と玉鶴姫1

その非道な振る舞いにより家臣達の心は段々と龍造寺隆信から離れていきます。従兄弟の鍋島直茂が何度も諌めようとするも、効果なく直茂は遠ざけられてしまいました。そして遂に家臣達の心が決定的に離れてしまう事件が起こります。

龍造寺家の家臣に蒲池鎮並という男がいました。鎮並は只の家臣ではなく、隆信の娘婿になります。そして鎮並の父親は嘗て少弐家に命を狙われた隆信を保護してその命を助けた恩人でもありました。隆信がその息子に娘の玉鶴姫を輿入れさせたのも、そんな恩あっての事だったのでしょう。鎮並は筑後柳川を拠点とする実力者でもありました。

そんな中、隆信の非道な振る舞いが周囲に悪い意味で評判になっている中、鎮並に手紙が届きました。差出人は隆信です。

「娘の輿入れ以来、婿殿にはお会いしていない。今度新しい城を構えるので、ぜひこの機会に婿殿にもお会いしたいので来てほしい」

この手紙を見た玉鶴姫は会いに行く事に猛反対しました。が、鎮並はそれを聞き入れずに出立。この時家来、芸人などを300人余りを率いて柳河城を出立していったと言われています。

しかし暫くして、一行の先導役と護衛役を引き受けていた家臣の一人、吉田歌右衛門が早馬に乗って場内に駆け込んできました。